コロナによる働き方の変化。テレワークは定着していくか?
みなさんこんにちは。
東京都の感染者数が着々と落ち着いてきているようですね。
5月も半ばを過ぎ、そろそろ梅雨入りのシーズン。
季節の変わり目は特に気分が落ち込みやすいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
長引く自粛期間により体調を崩しているという人も少なくないはず。
免疫力の低下は感染リスクにもつながるので、緊張緩和の雰囲気があるとはいえ引き続き注意は必要です。
今回は、コロナによって変化しつつある働き方について取り上げました。
働き方の大きな変化といえばやはり“テレワーク”。
私自身、フリーランスとして3年以上在宅勤務をおこなってきました。
その在り方というのは当時非常に評判の悪いものでした。
「家で仕事できるなんていいよね、いつでもさぼれるね」
「ずっと漫画もドラマも見れるし、もしかして仕事してないんじゃない?」
周りからそう言われることはざらにありました。今でも時々そのような目で見られることがあります。
しかし、コロナウイルス感染拡大防止のため、日本でも多くの企業がテレワークを実施し始めました。
テレワークを導入することで、災害時や今回のような感染症拡大といった緊急事態にでも事業を継続させることができます。
急速なテレワークの導入により、
「実際に自分自身が経験してみてどうだったか」と気づかされた点が多いという方もいらっしゃるのでは?
今後の働き方として、テレワークという選択肢を新たに持ったという方も多いはず。
今回は、コロナによって変化した働き方について、
そして、今後定着が予想されるテレワークという働き方について合わせてお話ししていきたいと思います。
コロナの影響下、ネガティブな変化ばかりではない
新型コロナウイルス感染症は、日本国内の経済だけでなく世界的に非常に大きな悪影響をもたらしました。
しかしながら、注目すべきなのは「悪い変化ばかりが起こっているわけではない」という点。
このような非常事態の状況下では、先の見通しは立たず、
不確実性が高い新規事業に対しては保守的な判断をしがちです。
しかし、このような時だからこそ新規事業を立ち上げ、それらを有利に進められる可能性もあるという見方を持つこともできます。
たとえば、外出自粛によってライブ配信経由の売り上げが前年同期比で264%増加したという結果が見られました。
アメリカでは、ライフスタイル系メディアが配信する不安への対処法を書いた記事のPVが734%増加。
またアロマや瞑想アプリなどの利用も増えているのだそうです。
日本国内でも、フードデリバリーやテイクアウトの需要が急激に増えました。
ポジティブな変化はそれらばかりではありません。
コロナの影響により急速に広まったテレワーク、それは働き方にもたらされた大きな変化と言えるでしょう。
“テレワーク”という大きな変化
これまで日本企業は、物理的な空間・時間を共有することに重きを置き、
リモートワークの積極的導入を躊躇するケースが多かったように見受けられます。
今回のコロナ危機、外出自粛要請という国からの呼びかけにより、
各企業がリモートワークを導入する大きな転機となりました。
企業によってはもちろん、リモートワークが従来の仕事の進め方や業務管理・評価のあり方とフィットしないと感じることもあるでしょう。
当然のことながら、リモートにできない職種というものもあります。
一方で、ひとたびリモートワークの魅力を経験すると、
もう以前と同じ働き方には戻れないというワーカーは少なくないはずです。
テレワークにより出社の義務がなくなれば、満員電車や長時間の通勤に伴うストレスから解放されます。さらにオフィスあるあるの「上司や同僚が帰れないと自分も帰れない」といった余計な気苦労などもせずに済むことでしょう。
テレワークの普及から、
おうちで過ごす時間が増えることでプライベートの充実が図れる→心をより健全な状態に保てる
という好循環が期待できそうです。
非常に皮肉なことではありますが、コロナウイルスの影響によってテレワークを実践し、それに気づかされたというワーカーも多いのでは?
テレワークによる好変化1. 通勤ラッシュの回避
テレワークにより、毎日の電車通勤から解放されたという方は多そうですね。
電車通勤や通勤ラッシュからの解放は、テレワークにおける最大のメリットとも言えるかもしれません。
首都圏では、車ではなく電車通勤をしている方が多いのが実情。朝・夕のラッシュ時は身動きが取れないほど電車内が混み合います。そのような環境だと、通勤するだけでも疲れてしまいます。
テレワークの場合にはオフィスに出勤する必要がないため、電車通勤時のストレスを受けることなく仕事に取りかかることができ、また、通勤に使う時間を睡眠や自分の好きなことへ充てることもできます。
就活時期にはしばしば「売り手市場」という言葉が飛び交うように、求職者優位に進む時代になりました。彼らが必ずしもオフィスの近くに住んでいるとは限りません。テレワークが可能ならば、求職者にとっても企業選びは非常に大きく幅が広がるのです。
また、育児や介護などの理由で会社に通うことが難しいという方にもテレワークは有利に働きます。そのような理由での退職を防ぐことができるので、優秀な社員を確保し続けられるという点は企業側のメリットにもなり得ます。
出産や育児などのライフイベント時でも、柔軟に働くことのできるテレワークが認められれば、従業員が退職ではなく働き続けることを選ぶ可能性は高くなるでしょう。
テレワークによる好変化2. Web会議により無駄が減った
誰か1人が演説し、話し合いにならない会議。
目的がなく始まったり、テーマから脱線したり、「じゃあそういうことで……」とネクストアクションが決まらず終わったり、企業に属していると必ずと言っていいほどあるのが無駄な会議です。
リンクライブがおこなった「第2回 新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワーク実態調査」によると、40代以上のいわゆるベテラン世代の75%以上が「無駄な会議が減った」と感じている模様です。
また、20歳以上の男女で、かつリモートワークを導入している会社員201人を対象にした調査でも65.7%が同様の回答をしているという結果が出ています。
オンライン会議やオンライン商談、オンライン研修、オンライン面談など、最初は不慣れでも実践していくうちに慣れていくものです。多くの人がそれらを使い始めたら、もうその流れに逆らうことは困難になってくるでしょう。
テレワーカーが長時間の会議をするのは、現実的ではありません。
テレワークがこのまま普及すれば長時間の会議は絶滅するかもしれませんね。
テレワークによる好変化3. 古い体制の見直し・改善
テレワークが企業にもたらすメリットを考えたとき、それが大きいものとわかってはいても、どうしても気がかりなことがありなかなか導入に踏み出せない経営者の方もいらっしゃるのでは?
たとえば、
・テレワークの場合、社員の勤務状況を管理しにくい
・オフィスへ出社し、顔を直接合わせながら仕事をすることに意味があるというコミュニケーション感覚
・自宅やカフェで仕事をする場合のセキュリティ面での懸念
・業務の内容的に、テレワークができる社員とできない社員がいるため不公平にとられるのではないか
などなど…。
これらの壁、実は、案外簡単に突破できる思い込みの壁、つまり日本の企業に多く見られる古い体制なのです。
例えば、書類にハンコをもらうためだけに出社するという古い文化、もう必要ありません。
効力のあるデジタル印が既に存在し、実用化されているからです。
会議もそうですが、このように、テレワークの導入は今までのやり方を見直すチャンスと言えます。
要る・要らないといった業務の洗い出しや新しいツールの導入など、テレワークを実際に経験した従業員たち自身が改善を呼びかけ動いていく必要があるでしょう。
アフターコロナ、わたしたちは変化を求められる
Afterコロナの時代、
人々はより明確に仕事の成果・ミッションの達成度合いで評価・処遇されるようになっていくはずです。
オンライン化が進むほど、コミュニティを強化する取り組みは重要になるでしょう。会社で働く意義や価値観を共有し合い組織への帰属意識を改めて確認することも、コミュニティ形成には欠かせないことです。
これから先、テレワークを導入して良かったと思う場面が増えていくことが想像できます。
新型コロナウイルスによって普及が急がれたテレワークですが、コロナ収束後も継続しておこなっていきたいという希望の声も多く聞こえてきます。
全世界規模で、多くのワーカーが社会的距離を保ってテレワークを経験したことは、これからの働き方やライフスタイルに間違いなく不可逆な影響を与えていくことと思われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆:仲野識(なかの しき)